MASATO NASU

Product Design · Computational Experiments · Personal Lab

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Ouroboros Mobius Ring

Accessories Design
2005
Ouroboros Mobius Ring
Ouroboros Mobius Ring 2005 / Accessories Design 自らの尾をくわえるウロボロスと、表裏の区別を持たないメビウスの帯。二つの循環のイメージを重ね、折り返しながら連続する形をバングルとして構成しました。 静かでミニマルな外観の中に、目で追い、指で辿ることで見えてくる複雑さを込めています。腕に通したときの自然ななじみと、曲面のやわらかな流れを大切にした作品です。 形の背景にある数学 この作品の構造を考える際には、厚みのある実物と、そのもとになる厚みゼロの曲面を区別する必要があります。ここで述べる表裏や境界の性質は、折り返し部分の所定の縁を貼り合わせた、理想化された曲面についてのものです。 既存のCAD解析では、この貼り合わせを仮定した曲面について、境界が一本、向き付け不可能、オイラー標数が −1 という結果が報告されています。接合部を含めて枝分かれのない一続きの曲面であり、これらの条件が成立するなら、曲面の分類上は「クラインの壺から円板を一枚取り除いた曲面」に相当します。 これはメビウスの帯そのものではありませんが、表裏を全体で矛盾なく区別できないという性質を共有します。 縁が描く結び目 貼り合わせ後の境界については、右手型と左手型の三葉結び目をつないだ「角結び(square knot)」に相当するという解析結果が報告されています。また、腕を通す軸に対する巻き数はゼロとされています。 巻き数ゼロとは、縁を一周辿ったとき、軸を回る正方向と逆方向の回転が差し引きでゼロになることです。これは、縁そのものが結ばれていないことを意味しません。軸のまわり方と、曲線自身の結ばれ方は、異なる性質です。 解析について これらは、特定の縁を貼り合わせる数学モデルに基づく解釈です。CAD上で縁が公差内に近接していることや、厚み付けによって材料が融合することだけでは、この曲面の性質が証明されたことにはなりません。確定には、接合部の構造、面の向きの整合性、境界曲線の交差情報を元データから再検証する必要があります。 本作は、循環と反転、連続と結び目という数学的な発想を、身につけられる形へと探ったジュエリーです。