MASATO NASU

Portfolio

Selected works, objects, and experiments.

無限カプセル

無限カプセル

2023

#Fine Art#Toy#Capsure

この「無限カプセル」は、ひとつの完結した容器の中に、同じ形態が縮小されながら繰り返し内包されていく構造を持ったコンセプトです。 カプセルは本来、何かを包み、閉じ、ひとつの単位として成立するものですが、この作品ではその完結性そのものを内部で反復させています。 つまり、ひとつを開けるとまたひとつ現れ、その中にもさらに同じ構造が続いていくという、終わりのない自己複製的な存在として構想されています。 形態はできるだけ単純なカプセルの archetype に寄せながら、分割線や開口部によって「開ける」という行為を明確に予感させています。 しかし実際には、その行為は中身へ到達するための手段ではなく、同じ構造をもう一度発見するための反復になります。 開封は到達ではなく、再帰の入り口になる。そこにこの作品の核があります。 また、スケールが連続的に縮小していくことで、プロダクトでありながら同時に概念模型のようでもあり、玩具のようでもあり、哲学的なオブジェのようでもある多義性を持っています。 中身があるはずの容器の中にあるのは、別の中身ではなく、容器そのものです。 その入れ子構造によって、内容と外殻、外部と内部、終点と始点の関係が静かに反転されています。 この作品は、収納や包装の道具としてのカプセルを、自己言及的な存在へと変換したものです。 何かを入れるための形が、最後には「入れられているとは何か」を問い返してくる。 無限カプセルとは、単純な反復の造形を通して、完結と無限を同時に内包させたオブジェです。